NFPA基準
ライフセーフティーロープ
※この規格はカーマントルロープだけしか認めていません。
・スタティックロープ…伸び率1%〜6%未満(@最小破断強度の10%負荷)
・ローストレッチロープ…伸び率6%〜10%(@最小破断強度の10%負荷)
この2パターンに分かれています。
ライフセーフティーロープの基準は
ゼネラルユース 刻印は”G”
・最小破断強度は40kN以上
・伸び率は1%〜10%(@最小破断強度の10%負荷時)
・直径は11mm〜16mm
テクニカルユース 刻印は”T”
・最小破断強度は20kN以上
・伸び率は1%〜10%(@最小破断強度の10%負荷時)
・直径は9.5mm〜12.5mm
EN基準
ENとはEU圏内の共通工業規格です。
メーカーはEN規格に適合していることを「自己宣言」し、その製品にCEマークを掲示します。
CEマークのない製品は欧州圏での発売・流通が禁じられています。
セミスタティックロープの規格
伸び率 5%以下
強度 22KN
素材 融点195℃以上
構造 カーマントル
※ここから先は少し細かいので参考までに見てね!!!
米国のCordage Institute(直訳すると索類協会、以下CI)のStandard 1801-98に規定されています。
NFPA(全米防火協会)の1983(Standard on Life Safety Rope and Equipment for Emergency Services)では伸び率についてCIの基準に沿うことになっていますので、北米で救助に使うロープの伸び率についてはCIの基準が基本となっています。
北米で救助用スタティックロープとなるとNFPA1983に沿うことが必要なので破断荷重の10%の負荷をかけたときに伸びが6%未満であることの他に、いくつかの基準をクリアーする必要があります。
また、上記の他にセミスタティックロープという基準も存在します。
EU圏のCE基準(以下CE)でEN1891では50kgf〜150kgfの荷重変化で5%以下の伸び率となっています。
スタティックロープとセミスタティックロープは全く別の基準ですので当然、外見がほぼ変わらなくともロープは別のものです。
単純な比較ですが一般的な北米での救助用ロープは直径12.7mmですので破断荷重は最低40kn(約4t)と仮定され、その10%は400kgになり、この場合のCIでの伸び率測定時負荷と考えられます。
EN1891では150kgf(約150kg)の負荷での伸び率測定と考えられます。
400kgと150kgでは伸び率測定の負荷が全く違います。
伸び率だけで比較するとCIが6%未満でCEが5%以下とパーセンテージだけをみてしまうとCEの5%以下が伸び率が低くみえます、しかし実際同じ負荷で計測すると当然この2種類の基準で製造されたロープの伸び率にはかなりの差が出ることになります。
伸び率や破断荷重の基準は安全性の直結しますので、間違った選択は致命的な危険性になります、基準は安全を守るために存在していますので理解することで、目的に合った正しい選択をしたいと思います。